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公演迫る!日本フィル114回さいたま定期演奏会のプログラムを一部公開します!
2019.07.01

いよいよ7月5日(金)に迫った「日本フィルハーモニー交響楽団第114回さいたま定期演奏会」。当日来場者へ配布するプログラムの一部(音楽評論家・小宮正安氏による曲目解説)を公開します!


プロコフィエフ:交響曲第1番≪古典交響曲≫

1917年。それはロシア革命が起きた年として、今なお鮮明に記憶されている。

そうした状況の中で書かれたのが、プロコフィエフ(1891-1953)の『古典交響曲』だ。先鋭的な作風で知られてきた彼が、一見クラシック音楽の王道である18世紀の古典派の様式を用いたという点で、文字通り新時代の作品といえよう。(しかも古典派の様式を採り入れるのは単なる懐古趣味ではなく、19世紀に全盛期を迎えたロマン派にあえて背を向けるという点で、実のところきわめて時代の最先端を行く試みだった。)

というわけで、外見こそ古典派の交響曲に見られる4楽章形式(第1楽章と第4楽章は快速テンポに基づくソナタ形式、第2楽章は優美な3拍子の舞曲風、第3楽章はこれまた18世紀に好まれた舞曲であるガヴォット)で書かれているが、旋律や和声はきわめて20世紀的だ。なお第3楽章は後に、バレエ『ロメオとジュリエット』にも転用されている。

 

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

先ほども書いたように、19世紀はロマン派の全盛時代であり、それを支えたのが王侯貴族の支配を打ち破り頭角を現してきた…ただしやがては当の王侯貴族と協働して社会的実験を握るようになった、市民階級だった。

そんな市民階級の好む音楽とは、きわめて情動的なものだった。裸一貫から身を起こし、様々な事柄と戦わなければならなかった彼らにとって、そうした音楽こそが自らの苦しみを重ね合わせ、希望への道を切り開くに相応しい存在だったのだろう。

フェーリクス・メンデスルゾーン(1809-47)も、市民階級出の音楽家として活躍した一人である。とりわけ作曲に6年もの歳月をかけ、1844年に完成された『ヴァオリン協奏曲』は、単に独奏ヴァイオリンの超絶技巧を示すだけでなく、オーケストラと一体となった感情の吐露、悲嘆から希望へ向かう道筋を描いた1曲である。作曲者本人の魂の軌跡を示すかのように、3つの楽章が切れ目なく演奏されるのも特徴だ。

 

プロコフィエフ:バレエ音楽≪ロメオとジュリエット≫

ロシア革命後、プロコフィエフは政治的には労働者主体の政権を嫌い、世界各地を転々とした後にフランスへ移住する。だが祖国への想いは断ちがたく、1933年に帰還。当時のソビエト政権からは、当初大歓迎を受けた。

このような中、翌1934年から35年にかけて、モスクワのボリショイ劇場の依頼を受けて作られたのがバレエ『ロメオとジュリエット』のための音楽だ。台本は当時のソ連を代表する文学者や振付師によって作成されたが、当初はロメオがすんでのところでジュリエットが生きていることに気付いてハッピーエンドに終わるといった具合に、プロコフィエフにとってみれば内容的に納得のゆかないものだった(やがてこのエンディングは改訂される)。さらに音楽が難しすぎてバレエ・ダンサーが踊れないといった悪評が立ち、結局のところ初演は1938年に当時のチェコスロヴァキアのブルノでおこなわれた。

バレエ音楽としては総計52曲からなるが、その中から本日は西本智実による13曲の抜粋版をお聴きいただく。(なおこの抜粋版はプロコフィエフ自身が編んだ組曲版とは異なるが、詳しくは当日配布プログラムに掲載の「コラム」をご覧ください。)

解説 小宮正安

 


【チケット申込み】
ソニックシティホール 048-647-7722(9時~18時/日曜・祝日除く)