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公演迫る!11月16日(金)日本フィル第110回さいたま定期演奏会 曲目解説
2018.10.30

 

 

■ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104

19世紀が深まるにつれ、ヨーロッパ社会に民族自決を旗頭に掲げた国家独立の機運が高まり、音楽作品にも地方的な民族色が濃く表れていった。いわゆる“国民主義”と呼ばれる作曲家たちが、東欧や北欧などに輩出する時代である。そうした中で、ボヘミア(チェコ)を代表する作曲家がアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)であった。彼はヨーロッパにおいて既に名声を得ていた晩年の1892年に、ニューヨークのナショナル音楽院の院長に就任し、3年のアメリカ滞在中に多くの名作を生み出したが、帰国直前の1894年から翌年2月にかけて作曲されたこのチェロ協奏曲も、アメリカ滞在記の結実の一つと言えるだろう。ドヴォルザークは渡米前、1891年暮れから翌年春にかけて同郷のチェリスト、ハヌシュ・ヴィーハンと共にボヘミア地方へ演奏旅行しており、この旅行をきっかけとしてチェロ協奏曲の作曲が進められた。そして帰国後の1895年6月には、このヴィーハンの示唆を受けて、一旦完成されたスコアのソロパートに若干の変更を加えている。

初演は1896年3月19日、ロンドンにおいて作曲者自身の指揮、イギリスの名チェリスト、レオ・スターン(1862-1904)の独奏で行われた。ドヴォルザーク天性のボヘミア的音楽と、アメリカで接した先住民の民謡や黒人霊歌の持つ哀調を帯びた叙情性とが見事に溶け合った、古今の数少ないチェロ協奏曲の傑作として今なお多くのチェリストに愛奏されている。

 

第1楽章:アレグロ、ロ短調、4分の4拍子、協奏的ソナタ形式。

第2楽章:アダージョ・マ・ノン・トロッポ、ト長調、4分の3拍子、三部形式。

第3楽章:アレグロ・モデラート、ロ短調、4分の2拍子、自由なロンド形式。

 

■ドヴォルザーク:交響曲 第8番 ト長調 op.88

ドヴォルザークはウィーンに留学し、ブラームスから多くを学び、伝統的な交響曲様式もしっかりと身に付けた。その基盤に立って、歌曲やオペラに見せるメロディ・メーカーとしての才能を発揮した美しい主題で交響曲を書いている。

交響曲第8番は、1889年の夏の短期間で作曲された。8月10日ごろには作品の構想が固まっており、9月5日から本格的スケッチを始め、同月23日までの2週間の間に全4楽章のスケッチを書き上げ、直ちにオーケストレーションにとりかかり、11月8日に完成させている。1890年2月2日にプラハでドヴォルザーク自身の指揮により初演。なお、1892年1月にイギリスの出版社ノヴェッロから初版が刊行されたため、「イギリス」の副題で呼ばれることがあるが、音楽的な内容には、むしろドヴォルザークの故郷ボヘミアの自然情趣に満ち溢れている。

 

第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ、ト長調、4分の4拍子、ソナタ形式。憂いを秘めた旋律の前半部、フルートによるのどかで明朗な後半部からなる第1主題が、この交響曲の民族的性格を決定づけている。

第2楽章:アダージョ、ハ短調~ハ長調、4分の2拍子、三部形式。田園のたそがれ時を感じさせる楽章。遠くから時折聞こえる鳥の声のようなモティーフが、より静寂な雰囲気をかもし出す。

第3楽章:アレグレット・グラツィオーソ、ト短調、8分の3拍子、三部形式。憂愁の中に愛らしさを秘めたワルツ。コーダは2拍子の舞踏に転じ、小さなクライマックスを築いて曲を閉じる。

第4楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ト長調、4分の2拍子、ソナタ形式。ファンファーレの後、チェロで呈示される主題をもとに変奏曲が展開する。

 

日本フィルハーモニー交響楽団第110回さいたま定期演奏会
公演日:2018年11月16日(金)19:00開演(18:20開場)
会 場:ソニックシティ大ホール
チケット申込み:ソニックシティホール048-647-7722(9:00~18:00/日曜・祝日を除く)
ソニックシティチケットポート048-647-4001(10:00~19:00/不定休)