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公演迫る!日本フィル113回さいたま定期演奏会のプログラムを一部公開します!
2019.05.17

いよいよ5月24日(金)に迫った「日本フィルハーモニー交響楽団第113回さいたま定期演奏会」。当日来場者へ配布するプログラムの一部(音楽評論家・小宮正安氏による曲目解説)を公開します!


■ベートーヴェン/レオノーレ序曲第3

ベートーヴェン唯一のオペラ『フィデリオ』。1805年に初演された当時は、『レオノーレ』というタイトルだった。このオペラが翌1806年に再演された際に、前年に初演された序曲を改訂して生まれたのが、『レオノーレ序曲第3番』。政敵に捕われた夫を牢獄から救い出す妻レオノーレ(彼女が牢獄に潜り込むべく、自らを男性として偽る際に用いた名前がフィデリオ)の闘いを描き、オペラの内容を凝縮した約15分にも及ぶ長大な序曲だ。

重々しい序奏部で聴かれるのは、地下牢の闇の中で、幸福だった日々を回想する夫のアリアを踏まえたメロディ。やがて主部に入ると、夫を解放しに奮闘するレオノーレを象徴するかのような音楽となる。主部の終わり近くで遠くから聴こえてくるトランペットのファンファーレは、正義の象徴である大臣の到着を告げる合図。最後はレオノーレの勝利を描く熱狂的な音楽が弾ける。

 

■シューマン/ピアノ協奏曲

元々は、1841年に作られた『ピアノと管弦楽のための幻想曲』だった。ロマン派の代表的作曲家として知られるシューマンが、折しも得意のピアノ曲から大規模な管弦楽曲に舵を切り始めていた頃の作品。その4年後の1845年に、件の幻想曲を改作して第1楽章に、新たに第2・3楽章を加えて、ピアノと管弦楽のための当ピアノ協奏曲が誕生した。

シューマンはベートーヴェンを敬愛していただけのことはあり、ベートーヴェンが切り開いたピアノ協奏曲の道を、当作品で発展させようとした。つまりピアノと管弦楽が丁々発止のやりとりを交わし、さらにそこへ闘争を経て勝利へと至るというドラマが持ちこまれたのである。全曲を貫くのは、第1楽章の序奏に引き続いて出現する「ド―シ―ラ」(階名に基づいて表記)という、憂愁を帯びた短調の音型。それが「ラ―シ―ド」となったり、長調に変化を遂げたりという紆余曲折を経て、最後には輝かしい世界が出現する。

 

■ベートーヴェン/交響曲第5

着想から約4年を経て、1808年に完成。「運命」という呼称で知られているが、実は、晩年のベートーヴェンに仕えていた秘書が捏造したエピソードであるらしい。だがそうした事情は別として、この曲が何を描いているかは、聴き進めてゆくうちにはっきりと分かる。つまり暗から明へ、あるいは闘争を経て勝利へと至るドラマ。

その基礎を形作るのは、第1楽章冒頭のリズムだ。「運命が扉を叩く」と伝えられてきた、お馴染みの「□タタタ/ターン」。これが、全曲を通じて刻々と表情を変えながら繰り返される中で、第4楽章への圧倒的な凱歌が出現するという仕掛けである。元々演奏会の開幕や閉幕を告げる存在だった交響曲が、作曲家の心情=信条を描き出すメディアとなった瞬間に他ならない。第3楽章から第4楽章へ至る緊張感に満ちた暗から明への展開は、シューマンが先のピアノ協奏曲の第2楽章から第3楽章への繋ぎにも用いた手法だった。

解説 小宮正安


当日プログラムには、小宮正安氏による特別コラムも掲載!どんなコラムか、演奏会でのお楽しみ。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

【チケット申込み】
ソニックシティホール 048-647-7722(9時~18時/日曜・祝日除く)