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公演迫る!9月21日(金)日本フィル第109回さいたま定期演奏会 曲目解説
2018.09.14

■チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23

このピアノ協奏曲の作曲は、1874年暮れから翌75年初頭にかけて短期間に行われている。当時モスクワ音楽院で教授職にあったピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)は、この作品の完成直後に名ピアニストで音楽院の初代院長であったニコライ・ルビンシテインに献呈を考えていた。しかし試演を聴いたルビンシテインは、チャイコフスキーの期待に反してこの作品を酷評し、それがもとで二人の間に亀裂が生じた。この協奏曲に自信を持っていたチャイコフスキーは、ルビンシテインの改訂の忠告には従わず、これまでにも彼の作品を好意をもって演奏していたドイツの指揮者・ピアニストのハンス・フォン・ビュローにこの楽譜を送った。ビュローはこの作品の独創性を認め、折からのアメリカへの演奏旅行にこの作品を携えて出発。1875年ボストンにおける公演で初演し大成功を収めたのだった。

第1楽章:アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ 変ロ短調 ソナタ形式。

やや長めの導入部を経た後に現れる第1主題は、作曲者がウクライナのカメンカで耳にした俗謡に基づくもので、休符を含む三連音の引きずるような動きが印象的である。続く抒情的な第2・第3の主題は展開部でさまざまに活用され、第1主題の再現を経た後に前述の第2・第3主題を活用した長大なカデンツァに至る。

第2楽章:アンダンティーノ・センプリーチェ 変ニ長調 三部形式。

フルートからピアノに受け継がれる牧歌風ののどかな主題に続き、ピアノが俗謡に由来する断片を紹介する。中間部ではそれらの断片が刹那的な愉悦を高潮させ、トゥッティの爆発とソロピアノの飛沫を頂点に鎮静、冒頭の田園的主題が再帰する。

第3楽章:アレグロ・コン・フオーコ 変ロ短調 ロンド形式。

第1主題はウクライナ民舞“ベスニヤンカ”の音楽をもとにしている。スラヴ風の骨太さを持った、ピアノのヴィルトゥオジティが十二分に発揮される。

 

■ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲《展覧会の絵》

“ロシア5人組”のひとり、モデスト・ムソルグスキー(1839‐1881)が残した作品の中で特に有名な組曲《展覧会の絵》は、こんにちでは原曲のピアノ版としてよりもむしろオーケストラ編曲版で広く知られているが、数多くの版が存在する(その中には名指揮者、レオポルド・ストコフスキーによるものもある)中でも、“管弦楽の魔術師”モーリス・ラヴェル(1875‐1937)による版が最も演奏される機会が多い。この編曲版は、1922年にラヴェルがボストン交響楽団の指揮者、セルゲイ・クーセヴィツキーからの依頼を受けて完成したものである。

作品は、ムソルグスキーの友人、建築士ヴィクトル・ハルトマンを追悼する遺作絵画展(1874年)の印象に基づいて作曲された。31歳の若さで逝ったこの天才建築家にして画家の展覧会に強い印象を受けたムソルグスキーは、その中でも特に感銘深かった10点の絵画(油彩や水彩、衣裳デザイン、建築設計イメージ画など)を選んで組曲の標題とした。そして個々に独立した絵画を一連の組曲として統一づけるために、“プロムナード(そぞろ歩き)”と呼ばれる移行部分を作曲、一点一点の絵画の前を通り過ぎるムソルグスキーの心象の移り変わりを音楽的に表現している。

第1曲「こびと」 第2曲「古城」 第3曲「テュイルリー宮殿の前庭」 第4曲「ビドロ(牛車)」 第5曲「殻をつけた雛の踊り」 第6曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」 第7曲「リモージュの市場」 第8曲「カタコンブ(地下墓地)/死者とともに死者の言葉で」 第9曲「バーバ・ヤガーの小屋(鶏の足の上に立つ魔女の小屋)」 第10曲「キエフの大門」

 

【チケット申込み】

ソニックシティホール 048-647-7722(9時~18時/日曜・祝日を除く)

ソニックシティチケットポート 048-647-4001(10時~19時/不定休)

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